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押出しダイス手配時の注意点

アルミ押し出し用のダイス(金型)は、金型と言う括りで言えば特殊なルールかもしれません。

アルミ押出しダイスの事で、頻繁に質問されるのがダイス(金型)費用の件です。

金型費用の事を「押出しダイス製作技術料」と言う名目で請求させて戴きます。

これは金型を販売するのではなく「ダイスを作る為の技術料」を頂戴すると言う事になります。


通常の金型(ダイス)と違う点が、「型の所有権は押し出しメーカーに帰属」していると言う事が大きく違うところでしょう。

この点を最初にお客様に説明を怠ると「金型を返却して欲しい!」「申し訳ありませんが無理です」と言うトラブルが発生してしまいます。

 

なぜこの様なシステムにしているかと言うと、ダイスには各メーカーのノウハウがギッシリ詰まっていて、他のメーカーに見られると困ると言う部分があるんです。

何処が見られたくないかと言えば、ベアリング面と呼ばれるアルミの流量を制御する部分です。

流れやすい形状の部分に摩擦抵抗が発生する様にするのが、ベアリング面です。 逆に、流れ難い個所は磨きます。

ベアリング面と磨き面の出来次第で精度が大きく変わってしまいます。

また押出し機の制御技術によって、ベアリング面へ求められる要件が変わってきます。

各メーカーが保有するプレス機の特性に違いもあり、旧メーカーのダイスが持ち込まれても、押し出した後に精度が出ていなければ新メーカー側の責任となる為、無用なトラブルを避ける為に考え出されたのかな~と、商社の立場としては推測しております。

 

また、メーカーによって差はあるでしょうが、押出しダイスは2年間一度も使用(注文)する事が無ければメーカー側の意志で廃却しますと言う決まりがあります。

 

押出し承認図にも記載されているのですが、この点も説明を怠るとトラブルの元です。

2年間の起算日は、最終押出し日から2年間になります。

とは言っても、メーカー側も通常は廃却しても良いか確認をしてくるのが一般的です。


押出しダイスには、この様な注意点がある事を記憶に留め置き戴き、ご検討戴く事をお勧め致します。