突破口が開けたのは6月。100社近くに断られ続けた末、インターネット検索で見つけた加工部品を扱う技術商社エムエスパートナーズ(横浜市)の社長の伊藤昌良(43)と出会った。
伊藤は、すでに飽和状態にある照明の市場で、しかも中国から数千円の安いものが輸入されてくる中、3万〜4万円のライトで勝負するなんて、無謀だと思った。
だが、八木の本気に触れ、志のある人と町工場が組まない限り、日本のものづくりが成長しないとも思った。
伊藤はフェイスブックでつながっているものづくりの仲間たちを八木に紹介した。
伊藤の会社は商社だ。
直接取引されたら儲けにならない。
それでも、
「僕を通さず、町工場の人と直接話をしないと八木さんの勉強にならないと思った」(伊藤)