市場価格について

師走に入り、本格的に冬がやってくる時期となってまいりました。
皆さんいかがお過ごしでしょうか、代表の伊藤です。

本日は、アルミ価格に関連するお話をさせて頂きます。

一時の暴騰に比べれば、足元のアルミ地金相場は多少落ち着いてきた感があります。

しかし、アルミ地金相場の変動に利用されている「NSPルール」では過去の相場を反映システムのため、来年の3月までは確実に高値で推移致します。

またアルミ合金に利用する添加金属も同様に高騰しており、アルミ価格を押し上げる要因の一つとなっております。

原油価格の高騰は原油由来の製品全般の梱包資材に至るまで、原価上昇圧力となっております。

メーカーからロールマージン(地金以外の価格要素)の値上げ圧力が高まっているのは、こう言う背景があるからです。

また金属加工業界でも、コロナ禍による中小零細企業の廃業を加速させました。

供給能力の低下と相まって、緊急事態宣言明けでの需要増加と、金属価格高騰による発注の前倒しなども重なり、一部の加工分野では設備稼働率が非常に高いレベルを保っております。

政府主導の賃金アップ要請も、更なる値上げ圧力となって市場価格に影響を与えることと思います。

仮に足元の地金価格が下がっても、以前の価格水準に戻ることは無いと思います。

銅地金についても同様の背景があるので、真鍮価格も暫くは高止まりのままと思われます。

参考までに、銅建値の推移は1月4日840円/Kgで始まり、12月6日1120円/kgと、280円/kgも値上がりしております。

アルマイト処理についても、電気代アップ、処理液の高騰で従来比20%コストアップは当たり前という流れです。

ネジについては、台湾メーカーからの共急減による在庫低下で、市場にモノが無いサイズも出始めております。

 

非常に難しい環境の中で、MSPは用途に見合った適切な形状や加工法と品質レベルをご提案させて頂くことにより、少しでもお客様のご負担が低減できないかと考えながら日々の業務に対応しております。

加工先にお困りの際には、アルミ押出し品に限らず、旋盤加工品、マシニング・フライス加工、板金加工様々な加工分野で優れた技術を持つ協力会社様と一緒に、皆様のお役に立てる連携を組んでおりますので是非一声おかけ下さい。

最近多いお問い合わせが「ボール盤やフライスでいい簡易加工をやってもらえる会社が無い」と言う内容です。

MSPには、そういった簡易加工に秀でた協力会社様とも連携しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

お問い合わせをお待ちしております。

参考までに、アルミ地金価格改定ルールの解説を貼り付けておきます。

NSPルールとは

弊社では、地金相場の変動をNSPルール(New Standard Price Rule)という独自のルールを採用し、価格に反映させております。

1年を4分割し3ヶ月単位で地金相場の変動を実勢価格に反映させるという言うものです。

基準となる相場価格は、日本経済新聞に毎月第一月曜日に掲載される、月間平均相場が基準となります。

反映の方法は、月間相場を3ヶ月間平均を一桁を四捨五入し、エキストラで+10円します。

NSP適用期間 相場適用期間
01~03月 09~11月
04~06月 12~02月
07~09月 03~05月
10~12月 06~08月

と言う区切り方になります。

これには、1ヶ月の告知期間を設けると言う意味で、相場適用期間が設定されています。

例> 2022年1月~3月のNSP価格なります。
*取引メーカーによって若干の違いがありますのでご注意下さい。

2021年 09月   377.0 円/kg

2021年 10月   404.5 円/kg

2021年 11月   373.2 円/kg

3ヶ月平均     384.9 円/kg

一の位を四捨五入   380円/kg
エキストラ       10円/kg

2022年1~3月適用価格  390円/kg

と言う風になります。

NSPルールの運用範囲内では、2022年1~3月末まで地金価格の変動はございません。

 

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