【設計・開発者向け】アルミ押し出し材を採用するメリットと特性

今回は、アルミ押し出し材を採用するメリットと特性を簡単に説明しようと思います。
アルミ押し出し材は、自由な断面形状と多彩な機能性を両立できる、設計の自由度が極めて高い素材です。
MSPが取り扱うアルミ材の主要な特性を、実務視点で解説します。

  1. 「軽量化」による性能向上
    特性: 鉄や銅に比べ、重さは約3分の1(比重2.7)。

実務メリット
筐体やフレームをアルミ化することで、製品自体の軽量化、輸送コストの削減、可動部の高速化・省エネ化が図れます。
設計段階からお手伝いさせて頂ける時には、軽量化だけでなく、組み立て性やメンテナンス性も考慮した提案を心掛けております。

  1. 「耐食性」に優れ、メンテナンスを軽減
    特性: 表面に自然形成される酸化被膜が材料表面を保護します。

実務メリット
酸化皮膜を自己生成し錆びにくいため、屋内環境であれば長期間使用可能です。
「アルマイト処理」を施すことで、さらに過酷な環境にも耐えうる仕様に強化できます。
生地でご利用になる場合、切断面が生地でも良い場合長尺材で処理をオススメし、意匠性が必要な場合は染色アルマイトで対応し、指定色での処理が必要であれば塗装での対応も可能です。

  1. 「複雑な形状」を一本の部材で実現(押し出しの強み)
    特性: 柔らかい性質を活かし、金型を通して複雑な断面を成形できます(塑性加工)。

実務メリット
複数の部品を溶接やネジ止めしていた構造を、「一体成形」の押し出し材に置き換えることができます。
これにより、組立工数の大幅削減と、部品点数のスリム化が可能です。
統合でご検討の場合は、断面形状の寸法公差を考慮した提案をさせて頂きます。

  1. 合金化による「高強度」と、設計上の注意点
    特性
    添加金属(銅・マグネシウム等)や熱処理により、鉄に匹敵する強度まで高められます。

実務メリット
航空機部品にも使われる高強度合金を選択可能です。

注意点
剛性(たわみにくさ)を示す「縦弾性係数(ヤング率)」は鉄の1/3です。
同じ力をかけた場合、鉄より「しなりやすい」ため、断面形状(肉厚やリブの配置)による補強設計が重要になります。
※MSPでは、高強度材の場合には板からの切削で対応することが多いです。

  1. 「高い導電性」でバスバーにも最適
    特性: 銅の約60%の導電率を持ちますが、重さは1/3です。

実務メリット
「同じ重さなら銅の2倍の電流を流せる」という経済性の高さから、大型の送電線や車載バスバーなど、重量とコストが課題となる電装部品に選ばれています。
電線の圧着端子になる部品の素材を押出材で提案させて頂いた実績があります。

  1. 「優れた熱伝導性」で熱問題を解決
    特性: 熱を伝える力は鉄の約3倍。

実務メリット
押し出しの「複雑な断面を作れる」利点を活かし、表面積を極限まで増やした「ヒートシンク(放熱板)」の製作に最適です。
電子機器の小型化・高出力化に伴う熱対策の切り札となります。
MSPは、電源メーカー様からのご要望に小ロットで標準品への追加カスタムなど柔軟な対応が取れる体制を敷いております。

  1. 「環境対応・リサイクル」に強い
    特性: 融点が低く、新地金を作る3%のエネルギーで再生可能です。

実務メリット
廃材の価値(スクラップ価値)が高く、企業の環境負荷低減(ESG)への貢献をアピールできる素材です。

  1. 「衛生的」でクリーンルームにも対応
    特性: 無毒・無臭。重金属のような人体への悪影響がありません。

実務メリット: 食品機械、医療機器、半導体製造装置のフレームなど、クリーンさが求められる現場の部材として信頼されています。
MSPでは、医療装置の部品や食品型でご利用になる部品を押出材で提案し二次加工、表面処理までおまかせ頂いた実績があります。

  1. 光や熱を「反射」し、エネルギー効率を高める
    特性: 赤外線や熱線をよく反射します。

実務メリット: 照明の反射板や、熱を遮断したい筐体の断熱部材として活用でき、機器の効率向上に寄与します。
MSPでは、照明の反射板に利用する部品に化研アルマイトを施し反射率を上げて対応させて頂いた実績があります。

  1. 「非磁性」で精密機器の干渉を防ぐ
    特性: 磁石につかず、磁場に影響を与えません。

実務メリット
磁気を嫌う電子計測機器、半導体装置、MRI関連などの部材として、ノイズや誤作動を防ぐために不可欠な特性です。
MSPでは、お客様がノイズ低減を目的としたケースを製作されるに当たり、組み立て性を考慮しつつ、同じ断面で複数の部材を制作できる提案をさせて頂き採用頂いた実績があります。

(MSPからのアドバイス)
アルミ押し出し材は、一般的にA6063が主流ですが、もう少し強度が欲しい時にはA6005Cなど「どの合金を選ぶか」と「どんな断面形状にするか」の組み合わせで、性能とコストが劇的に変わります。
「この強度が欲しいが、重さを抑えたい」「この放熱性能を小ロットで実現したい」といった具体的な課題がございましたら、設計段階からぜひMSPへご相談ください。
ご連絡をお待ちしております。

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