『加工豆知識』アーカイブ | MSPブログ

アルミ押出し材とは

お客様より新人教育を依頼され、特にアルミ押出し材について教えて欲しいとのご依頼を頂きました。

資料を作るに当たりベースとなる情報をAIで収集し、これを叩き台にブラッシュアップしていこうと思います。

私が新人の頃は「ところてんを筒に入れて後ろから押し出すだろ?アレだよ!」と教えられましたが、最近の若者にはこの表現では通じないでしょうね。

YouTubeで公開されている工場の動画なども折り込みながら、過去に対応させて頂いた難易度の高い形状を教材に設計のコツなどを織り込めれば良いかなと思っています。

 

AIで収集したプレーン情報をコピペしておきます。

こういった資料を作るには、AIってやっぱり便利ですよね。

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アルミ押し出し材とは、アルミニウム合金を加熱し、金型(ダイス)と呼ばれる特定の断面形状の穴が開いた型に通して、押し出すことで作られる棒状の材料のことです。ちょうど、ところてんを押し出すようなイメージです。

アルミ押し出し材の仕組み

  1. 地金の加熱: アルミニウム合金のインゴット(塊)を、約400~500℃に加熱します。
  2. 金型(ダイス): 目的の断面形状(例えば、L字型、H字型、中空のパイプ型、複雑な放熱フィン付き形状など)に加工された金型を用意します。
  3. 押し出し: 加熱されたアルミニウム合金を、強力な力でこの金型を通して押し出します。すると、金型の形状通りの長い棒状の材料が連続して出てきます。
  4. 冷却・引抜き・矯正: 押し出された材料は冷却され、必要に応じて引抜き(延伸)や矯正が行われます。
  5. 切断・熱処理: 所定の長さに切断され、強度や硬度を高めるための熱処理(時効処理など)が施されることもあります。

アルミ押し出し材の主な特徴と利点

  • 多様な断面形状: 金型を変えるだけで、非常に複雑で自由度の高い断面形状の製品を効率的に製造できます。これが、アルミ押し出し材の最大の特長と言えます。
  • 軽量性: アルミニウムは鉄の約1/3の軽さであり、軽量化が求められる製品に適しています。
  • 高強度: アルミニウム合金の種類や熱処理によって、高い強度を持たせることができます。
  • 加工性の良さ: 切断、穴あけ、溶接、曲げ加工などが比較的容易です。
  • リサイクル性: アルミニウムはリサイクル性が非常に高く、環境に優しい素材です。
  • 耐食性: 表面に自然に生成される酸化被膜により、優れた耐食性を持ちます。さらにアルマイト処理などの表面処理で耐食性や意匠性を高めることも可能です。
  • 熱伝導性: 熱伝導率が高いため、ヒートシンクなどの放熱部品にもよく利用されます。

主な用途

その多様な形状と優れた特性から、様々な分野で幅広く利用されています。

  • 建築材: サッシ、カーテンウォール、手すり、フレームなど
  • 輸送機器: 自動車部品(フレーム、バンパー)、鉄道車両、航空機部品、船舶部品など
  • 電気・電子機器: ヒートシンク、筐体、フレームなど
  • 産業機器: 装置のフレーム、機械部品、コンベア部品など
  • 家具・インテリア: テーブルの脚、棚、パーティションなど
  • その他: 太陽光パネルのフレーム、スポーツ用品、DIY材料など

このように、アルミ押し出し材は、私たちの身の回りの様々な製品に活用されている、非常に汎用性の高い材料です。

 

ヒートシンクの小ロット調達について

アルミヒートシンクを小ロットで調達する場合の、重要な注意点をまとめてみました。。
これらの点を考慮することで、コストを抑えつつ、必要な品質のヒートシンクを効率的に調達できます。

アルミヒートシンクの調達
ヒートシンクの小ロット調達

1. 仕様の明確化と標準品の活用

サイズ、形状、材質、熱抵抗値、表面処理、取り付け方法など、詳細な仕様を明確にしましょう。

用途・仕様が明確であれば、見積もりや製作もスムーズに進みます。

カスタム品はコストが高くなりがちです。まずは標準品で要件を満たせるか検討しましょう。

ヒートシンクメーカーのカタログなどを参考に、最適な標準品を探しましょう。

図面がなくとも、スケッチでも構いません。

 

2. 加工法の選定

弊社では、標準品を活用し、一個からでもカスタム対応致します。

特殊形状で小ロットの場合、切削加工は金型が不要なため切削加工が適しています。

生涯ロットが500個を超えるなら、押し出しの専用型を検討しましょう。

生涯ロットが5,000個を超えるなら、ダイカスト化を検討しましょう。

試作の場合には、量産の材質との兼ね合いを十分に検討しましょう。

材質によって、熱伝導率に大きく差がありデータに大きく影響します。

 

3. コストと納期

複雑な形状は加工コストが高くなります。シンプルな形状にすることでコストを抑えましょう。

汎用性の高い材料や表面処理を選ぶことで、コストを抑えられる場合があります。

納期に余裕があるに越したことはありませんが、お急ぎの場合でも出来る限りの対応をいたします。

 

4. 品質管理

要求品質については事前にご教示ください。

検査項目については、予め設定の上ご教示ください。

 

これらの留意点を考慮することで、小ロットでも高品質でコスト競争力のあるアルミヒートシンクを効率的に調達できます。

弊社では、標準品のカスタムから、アルミ押し出しヒートシンクの専用型での対応、アルミダイカスト、切削対応、板金放熱板など、あらゆる加工法に対応しております。

防衛装備品使用の表面処理も含めたワンストップ体制を構築し、多くの皆様にご活用いただいております。

お客様のご要望に応じ、業界歴30年のベテランが最適な調達プランをご提示しながら、お話を進めさせて頂きます。

 

ヒートシンクに限らず、アルミ押出形材の小ロット対応や二次加工に表面処理対応、組付け作業も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

 

ご連絡お待ちしております。

 

(問い合わせ先)

担当 : 坪谷(ツボヤ)

Mail : sales @ mspjpn.com

電話 : 045-633-1056

 

金型移管サービスについて

春の足音が大きくなりつつある今日このごろ。
MSPでも、新たな芽吹きとなるサービスを展開中です。

昨今ニュースにもなる「金型保管」に関する問題。

大手が協力会社に、地位的優位性の中で無償で保管させているのは当然だと言う時代が続いてきました。

時代は大きく変わり、生産が終わった金型は速やかに引き取るか、廃却の手続きをしましょうと言う流れです。

 

そんな中で、廃業に伴う「金型移管での生産が可能か?」と言う問い合わせが増えています。

MSPでは、協力会社とともにこう言う問題点を解決する為のサービスが必要だと話し合って来ました。

 

金型移管に伴い必要になるのが「金型のメンテナンス」と「加工機に合わせた修正」になります。

この2点に合わせ「金型を有料で保管」する体制を構築中です。

 

生涯ロットは多くないが、どうしても金型品でなくてはならない部品はどうしてもあります。

3年ぶりに注文を出したら、金型が錆びていて使えなかったなんていう経験はございませんか?

そして、コレがトラブルを誘発し余分な経費負担を招きます。

そういったトラブルにならないように、保管状況が担保される倉庫を準備し劣化を防ぎます。

 

サービス品目は以下の通りになります。

 

・樹脂成形金型

・アルミ、亜鉛ダイカスト金型

・プレス成形金型


の3種類になります。

※生産を前提としたサービスですので、保管だけではお請けできません。

いずれも、小ロット対応を得意とした協力会社と連携しサービス化しました。

 

協力会社が廃業を検討し始めた段階でお問い合わせ頂くと、スムーズな移管につながります。

金型には、それぞれの現場が積み重ねてきた知見による工夫が詰め込まれています。

その工夫は、一見では理解できないものも少なくありません。

長年使用する中で、経年劣化を上手にカバーしながら寿命を伸ばして来た金型もあるでしょう。

そう言う部分の生情報をお聞かせ頂き、次の現場が問題のない品質で生産できる様にします。

また、状態が判らない金型を前提とした見積もりよりも、状況を理解しリスクがない

コトを理解したほうが、リスク分のコストを削減した見積もりとなります。

 

金型の移動に関しても、必要な場合はお申し付け下さい。

その際には、クレーン、フォークなど荷役設備の有無などもご教示願います。

その情報に基づいた車両で保管場所へ引き取りに伺います。(但し、有料となります)

 

稼働までのスケジュール目安

  1. お問合せ(電話、メールなど、オンラインも可)
  2. 検討(メンテナンス・修正の必要度確認)
  3. お見積り
  4. サンプル試作
  5. 引取り開始

 

過去の金型移管の事例

遠方からのご相談の場合、 メールでの写真や動画、金型データを基にヒアリングを行い対応いたします

 

業界:電子部品 ロット:500個

>金型の詳細が無く、金型を受け取り製品 現物を確認しながらしメンテナンスを行い生産まで対応しました

 

業界:建築 ロット:1000個/回

>廃業絡みで短納期で製品が必要でしたので、金型を引き取り仮打ちし緊急分を対応後にメンテナンス&修正で対応しました

 

業界:樹脂雑貨 数量:2000個/回

>海外から金型回収後にメンテナンスを行い、シボの打ち直しと流路調整を行い生産を行いました

 

金型移管のみならず、部品はあるが図面も金型も回収できなかった倒産案件にも対応した実績があります。

様々なケースがあるので、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。

創業22年の経験を最大限活かしながら、皆様のお役に立てる形で対応致します。

お急ぎの場合は、電話でも構いません。

ご連絡、お待ちしております。

 

(問い合わせ先)

担当 : 伊藤

Mail: sales@mspjpn.com

電話 : 045-633-1056

※本件に関しましては、休日でも転送電話で365日対応でお請けします。

お困りの際は遠慮なさらずご連絡下さい。

ヒートシンクに表面処理は必要か?

ヒートシンクのお引き合いを戴く中で、性能に関するご相談もございます。

一例を上げれば

「ヒートシンクにアルマイト処理をすると性能は上がりますか?」

というご質問です。

 

アルマイト被膜の熱伝導率は、アルミニウムの1/3と言われておりますが、遠赤外線等の放射性が高いと言う特性を持っております。

この点にフォーカスしてみれば、処理をする事で性能が向上するとも言えるかもしれません。

もう一つは、アルマイト処理をする事により酸化皮膜を形成する多孔質層とアルミ母材の間には無数の窪みが発生します。

これが表面積増となって、性能に影響する事も考えられます。

使用環境によっては、経年劣化により表面に腐食が発生し狙った性能を維持できなくなる可能性もあります。

20年ほど前のヒートシンクメーカーは、ブラックアルマイト処理をすると性能が上がりますと喧伝していました。

しかし今は「表面処理をしてもしなくても大きな差はありません」と言う表現をしているメーカーもあります。

 

一概に性能に影響するだけの根拠はありませんが個人的な見解を言わせて戴きますと、比較的小型のヒートシンクなら加工コストにフォーカスして表面処理をお薦めしています。

 

アルマイト材は表面硬度が高くなる分、切断時のバリが発生しにくくなります。

これにより、バリ取り作業を無くせます。

 

加工での傷がつきにくくなり、工程間ハンドリングでも気の使い方が変わります。

加工スピードが上がるコストメリットは大きいです。

タップ加工抜け側のバリも出にくくなります。

 

梱包でも、無駄な緩衝材がなくとも輸送時の振動で発生する電蝕も防止できますし、保管時の腐食を心配する必要もありません。

梱包資材費のコストダウンと、梱包時間短縮、開梱作業の簡素化と廃棄物の低減。

 

こういう事の積み重ねが、加工費を引き下げる要因となり、製品トータルコストの引き下げにつながります。

 

と言う事で、性能は微妙にアップするかもしれませんが、それ以上にコストダウンという面で検討の余地があると確信しております。

 

以上の様に、MSPではお客様のニーズによって長年蓄積してきた経験を基にし、様々な提案をさせて戴いております。

 

ヒートシンクに限らず、加工品でお困りの際には遠慮なくお問い合わせ下さい。

 

私共の経験を踏まえ、適切な加工法を提案させて戴きます。

 

皆様からのお問い合わせをお待ちしております。

 

 

(お問い合わせ先)
営業担当 : 坪谷・伊藤
HP http://mspjpn.com/
mail sales@mspjpn.com
電話 045-633-1056

熱伝導率と熱伝導度は違うのか?

ヒートシンク関連のお仕事をしておりますと、どうしても熱伝導のことについて調べる
機会が増えてきます。

その中で、文献によって「熱伝導率」と「熱伝導度」と言う違った表現をされている

のをたまに見かけて、最初の頃は何が違うんだ?と戸惑っていました。

そんな疑問をお持ちの方も沢山いらっしゃるのではないかと推察して、調べた

事をこちらにメモ代わりとしてアップしておきます。

結論を先に言えば、「熱伝導率」と「熱伝導度」は同じってことでした。

=====

熱伝導率とは、熱伝導において、媒質中に温度勾配がある場合に
その勾配に沿って運ばれる熱流束の大きさを規定する物理量である。
熱伝導度ともいう。
材料:熱伝導率/SI単位:W/(m K)
カーボンナノチューブ(C)/3000 – 5500
ダイヤモンド(C)/1000 – 2000
銀(Ag)/420
銅(Cu)/398
金(Au)/320
アルミニウム(Al)/236
シリコン(Si)/168
炭素(C)/100~250
真鍮/106
ニッケル/90.9
鉄(Fe)/84
白金(Pt)/70
ステンレス鋼/16.7 – 20.9
水晶(SiO2)/8
ガラス/1
水(H2O)/0.6
ポリエチレン/0.41
エポキシ樹脂(/0.21
シリコーン(Qゴム)/ 0.16
木材/0.15 – 0.25
羊毛/0.05
発泡ポリスチレン/ 0.03
空気/0.0241

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改めて、アルミがヒートシンクに採用される理由がハッキリと見える数値ですね。

アルミ押し出し形材を始め、アルミヒートシンクなどでお困りの際には、遠慮無くお申し付け下さい。

皆様からのお問い合わせをお待ち申し上げております。

(お問い合わせ先) 
営業担当 : 坪谷・伊藤
HP http://mspjpn.com/ 
mail sales@mspjpn.com
電話 045-633-1056 
FAX 045-633-1051

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