引き続き、ヒートシンク関連のお引き合いを多く頂いており感謝申し上げます。
お問い合わせ頂く中での質問で、ザックリまとめると多いのが以下のことです。
「どの製法で作るのが安く出来ますか?」
ヒートシンクと言っても、形状は様々です。
板を曲げただけの放熱板であったり
切削で作り込むような放熱ケースであったり
アルミ押し出し材をカットして穴をあけるだけの櫛形だったり
用途によって様々です。
回答を、簡単にするならば以下の通りになります。
放熱部の形状が単純で、平面度を極端に要求しないモノと言う前提で
生涯ロットが5,000個を超えるのであれば「アルミダイカスト」にした方が安いです。
しかし、コレには落とし穴もあります。
アルミダイカストの標準的な材質である「ADC12」がネックになります。
一口にアルミと言っても、その材質により熱伝導率に大きく差が出ます。
参考までに、主要な材質の熱伝導率を確認してみましょう。
(単位:W/m/k)
◯=アルミ板からの切削
◆=アルミ押出し材
▲=アルミダイキャスト材
◎=参考値
◯ A5052 138(切削ヒートシンクに多用されている)
◯ A6061 155~184(切削でA5052よりは改善が見込める)
◆ A1050 225(板金物の放熱板に使用)
◆ A6063 209(アルミ押し出し材ヒートシンクに多く利用)
▲ ADC12 92(アルミダイカストのメイン材質)
▲ DMS5 150(アルミダイカスト用高伝導率材質)
▲ HT-1 175(アルミダイカスト用高熱伝導材質)
◎ 金 310 *参考
◎ 銀 420 *参考
◎ 銅 401 *参考
◎ 真鍮 110 *参考
◎ 鉄 50 *参考
ご覧頂いた通り
アルミダイカストに利用するADC12と、アルミ押し出し材に利用するA6063では、2.3倍もの開きがあります。
これは、同じ形状でも放熱性能にその差が反映されるということです。
それを解消するには、アルミダイカストでも熱伝導率の良い材質を選択する必要があるということです。
逆に言えば、ADC12を前提で設計していた部品の小型化も材質変更により可能ということになります。
DMSシリーズやHT-1と言った、純アルミ系のダイカスト用合金は、どのダイカストメーカーでも取り扱っている訳ではありませんし、湯流れの問題などによりそれなりの設計ノウハウを要します。
弊社で、アルミダイカストで放熱性を重視せざるを得ない部品には「HT-1」を推奨しており、取扱実績の中で成形性の面でも確認が取れており、安心して納入できる体制もあります。
また他社ではロット数が1000個以上でないと対応頂けないような案件でも、一定の条件は付きますが、弊社では現場と相談をしながら500個/回レベルでの対応も致しております。
とここまで書いておいてなんですが・・・
形状によっては、何万個あってもアルミ押し出し材を切断して使った方が安い場合もあります。
用途や形状、寸法公差など様々な条件を基に総合的に判断し、最適な生産工法の提案をさせて頂きます。
まずは、構想形状の段階で是非ともご相談下さい。
設計が終わってからですと、本来一番安い工法があっても対応できず、高いのモノづくりになってしまう可能性があります。
誰かが損をする安値ではなく、理屈の通る安値を目指し提案させて頂きますので、まずはご連絡下さい。
あらゆる観点から導き出した最適なご提案をさせて頂きます。
本日は、ダイキャストの件をメインにご説明させて頂きました。
アルミ押出し材櫛型ヒートシンクや、大型の切削ヒートシンクについても、放熱部品一筋25年間のベテラン営業マンが対応致します。
放熱関係の部品で、コストダウンでお困りの際には、気軽に問い合わせ下さい。
電話 045-633-1056
FAX 045-633-1051
mail sales<@>mspjpn.com
※お手数ですが、メールの際には@前後の<>を消して送信下さい。
「標準品じゃないんですが、2個だけ欲しいんです」
そう言うお問い合わせを頂く機会が増えています。
そんな時MSPでは標準品の高さを詰めたり、幅を詰めたりして使えないか提案させていただきます。
まずは、どの様なサイズが必要なのかご連絡下さい。
それに対応する標準品の近似サイズを探します。
幅詰め等を行った製品で良ければそのままお使いいただけます。
もちろん、取り付け穴加工や切り欠きなど必要な加工に表面処理もお任せ頂けます。
そのサイズで仕様を満足させることが出来なければ、カスタム品を切削で作る事も可能です。
最適なヒートシンクをお探しであれば、MSPまでご相談下さい。
お気軽にご用命をお待ちしております。
(お問い合わせ先)
営業担当 : 坪谷・伊藤
HP http://mspjpn.com/
mail sales@mspjpn.com
電話 045-633-1056
一年で一番寒い時期に差し掛かるにも関わらず、足元のヒーターだけで十分な暖が取れる、快適な新事務所で迎えた2020年も既に15日が過ぎました。
年明け早々バタバタと動き回り、こちらでのご挨拶が疎かになっておりました。
改めまして、皆様方のご健勝を祈念すると共に本年も引き続きご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
2020年の目標は、「チャレンジ&チェンジ」になります。
その事を忘れないため、毎年恒例の指針熟語を今年も掲げました。
2020指針熟語
自新 :態度や心などを一新する
知新 :新しい知識を得ること
考新 :今までにない新しい考え
斬新 :従来になく新しいこと
日新 :日毎に新しくなること
新進 :ある分野に新たに現れ出たこと
新陳 :新しいことと古いこと
新標 :新しい目標
新芽 :新しく出た草木の芽
新墾 :未開の荒れ地を切り開くこと
過去を活かしつつ、過去に縛られること無く、具体的な行動に結びつけて行きたいと思います。
ゼロから全く新しい事に取り組むという意味ではなく、今あるリソースの中でブラッシュアップしながら新しい取り組みを行って行くというスタンスになります。
例を上げれば、アルミ押し出し材を利用した加工品を採用頂くためにMSPが提案出来る幅を広げたり、ヒートシンクや放熱板についても多くの方々にもっと知って頂くためのプロセスを改善する。
特にヒートシンク関連については需要の高まりを強く感じている中で、専業メーカーのレスポンスが落ちて困っている会社様が増えている事をヒシヒシと感じます。
これに対応するため、汎用技術プラスアルファのネットワークで少量多品種を効率よく生産出来る様に協力会社様と共に受注・生産・納品のプロセスをよりスムーズに行う為のシステムづくりを行います。
切削加工品についても最新の5軸加工機で高精度な部品を作らせて頂く事も大切ですが、フライス加工やボール盤に汎用旋盤を上手に活用できる提案を通じ、基礎技術を現場に残す為の受注活動も加速させて行く中で、新しい複合加工ネットワークの構築にも力を入れて行きます。
MSPでは最新の加工技術を駆使した高精度部品の生産はもちろんのこと、汎用技術に対するニーズを汲み取り、協力会社が持つシーズをベストマッチさせることがとても大切であると考えております。
汎用技術は派手さはなく、駄物加工などと揶揄される事もありますが、10年後、20年後の為に残していかなければならない技術の一つであるのは間違いないと確信しております。
この取り組みを通じ、この国から減りつつある汎用技術を持つ町工場に仕事を依頼し、廃業などを選択すること無く継続した事業活動をして頂ける為の一翼を担う事が、MSPの担う大切なミッションの一つと思っております。
長々と書かせて頂きましたが、創業時に掲げた理念「製造業の役に立ちたい」を具現化すべく2020年も派手さはありませんが愚直に一歩一歩前進して参りたいと思いますので、引き続きご支援とご厚情を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
代表取締役 伊藤昌良
アルマイト加工
環境保護の観点で「廃液処理管理」が厳しくなり、設備更新の問題で採算が取れないと判断し廃業するアルマイト屋さんが後を絶たないですね。
20年前に比べ、超零細も入れたら1/3くらいに激減しているのではないでしょうか?
「駄物用のアルマイト屋さんを紹介して欲しい」と言う問い合わせも増えてきてます。
新規の問い合わせでも、アルマイトまで一貫してお願い出来る取引先を探しているがなかなか見つからないと言う声が多くなりました。
部品加工をメインに取り扱うMSPからすると、最終工程である表面処理屋さんは大切な協力会社の中でも、その存在感を増して来ています。
ネットで探せない協力会社さんとどれだけ繋がれるか?
そこが、MSPの存在価値であり大切な資産だと思ってます。
その資産を上手にお使い戴ける様に、様々な工法を組み合わせ最適なご提案をさせて頂く事で、総合的なコストメリットを感じて戴ける体制の構築をこれからも継続してまいります。
(お問い合わせ先)
営業担当 : 坪谷・伊藤
HP http://mspjpn.com/
mail sales@mspjpn.com
電話 045-633-1056
お急ぎの場合は、遠慮なくお電話下さい!
アルマイト加工
「アルミ押し出し材を、扱ったことがないんです」
「アルミ押し出し材を、設計したことが無いんです」
「それでも、お願いしても大丈夫でしょうか?」
ご安心下さい、モチロン大丈夫です!
皆様から数多くのお問い合わせを戴き、誠にありがとうございます。
アルミ押出形材を活用する事は総合的な工数軽減に繋がる場合が多く、他の工法に比べ比較的安価な初期投資で済む為、コストダウン効果が高い工法だと確信し、皆様がご活用戴きやすくする為、MSPでは様々なお手伝いをさせて戴いております。
お問合わせの中には、アルミ押し出し材を扱った事がなく不安なままお問い合わせ戴くご担当者様も多くいらっしゃいます。
でもご安心下さい、設計に不慣れと仰られる方に当社では以下のようにお願いして情報を戴きながら、お客様のご希望を最大限盛り込んだ方向での立ち上げをお手伝いさせて戴きます。
・まずお客様がご希望される形状を、そのまま確認させて下さい
→ 製作可否を検討するため
・その形状でどんな機能を持たせたいか?
→ 機能性の付加、軽量化の提案のため
・意匠箇所など、外観に注意する場所はないか?
→ 表面注意個所の設定と、押出し下面の設定のため
・表面処理はどうするか?
→ コストダウンのために、長尺処理が可能か検討するため
・生涯使用量と一回の調達量の設定は?
→ 小ロット対応が必要な場合にアルミ押出しメーカーを選定するため
・納入先
→ 二次加工があれば、輸送費コストを考慮し加工先選定のため
このような情報を基に、形状の最適化を計りアルミ押し出しメーカーの選定を行います。
アルミ押し出しメーカーを選択したら、そのアルミ押し出しメーカーで対応可能な形状を考慮して見積り依頼をします。
設計に於ける簡単なポイントを幾つか上げさせて戴きます。
・左右対称形状に近い方が良い
・肉厚は均一な方が良い
・最低肉厚は1.2mm以上を希望される事が多い
・極端に狭い隙間は苦手
・精度が0.5mm以下を希望する箇所があるなら要確認
アルミ押し出し型材は、500℃近い熱間工程を経て成形されるので、切削加工のような高精度な寸法公差は対応できません。
しかし、アルミ押し出しの特性を活かした設計を行い、精度の必要箇所は2次加工で仕上げる事も可能です。
設計変更による活用例もあります
・複数部品を一体化して組立て工数を減らす
・意匠面をアルミ押し出し材でカバーさせ、別部品だったヒンジ等を削減する
・放熱効果を利用し、ヒートシンク形状で放熱機能を持たせた筐体部品設計を行う
・タッピングホール形状を活用しタップ穴の作業工程を削減する
・生産ロットが増えてきたのでブランク形状で押出材を作り、切削量を減らす
・板金部品を押し出し材に置き換える
・生産量減少に伴う、鋳物・ダイキャストからの置き換え
・肉厚の最適化を計り、軽量化に利用する
・量産は海外生産だが、開発は国内で行いたいので試作でアルミ押出し材を作りたい
また、よく聞かれるお話の代表例としては
「ロットの問題で躊躇してます」
と言うことです。
業界を見渡せば最低ロット300kg以上と言う定石があり、対応の良いメーカーでも100kg無いと駄目ですなどの要求が来ます。
設計の方が高付加価値の部品を設計しても、それを支える素材が調達できずに困っているご苦労を伺っております。
それを踏まえ、お客様のニーズを必死に訴えながら、メーカーを説得し続け特別な協力体制をを引き出し、MSPではロットの概念を壊す事に成功しました。
材質、形状諸々の条件は有るのですが、ロットの問題で他社で断られてMSPに駆け込まれたお客様には、お喜び戴ける結果を残し続けております。
「小ロットで出来るのは判った!でも、機能的な検証をする為の試作はどうするればいいのか?」
もちろん、そんなケースもございます。
その際には、あらゆる加工工法の中から最適な工法を選択して、検証にご利用戴ける部品を作成もお任せ下さい。
「表面処理もお願いしたいんだけど・・・」
お安い御用です。ご希望の色をご指定下さい。
対応可能な工法でご提案させて戴きます。
ワンストップ体制を構築しておりますので、どの様なご希望でもご提示下さい。
「設計力を製品開発に活かせないのは、製造業界全体にとって機会損失!」
と考えるMSPは業界の常識に真っ向から戦いを挑みます。
お客様と共に、最適な生産体制を構築する為のお手伝いをさせて戴きます。
アルミ押し出し形材の調達でお困りな方は、是非ともお問い合わせ下さい。
きっとお役に立つことが出来ると自負しています。
(お問い合わせ先)
営業担当 : 坪谷・伊藤
HP http://mspjpn.com/
mail sales@mspjpn.com
電話 045-633-1056