キー溝加工
旋盤系の加工品をお引き合い頂くと、内径キー溝加工の指示が
記載されて いる事がよくあります。
歯車やボスになるであろう部品。
キー溝加工する際に使用される加工設備は、大きく分けて2種類。
・ブローチ盤
刃が鋸状に配置された長尺の刃物を「引き抜く」事により被削物を
加工する切削加工の一種。
仕上がり部分の寸法が、加工に使用したブローチと、ほぼ同じと
なるため、フライス盤・形削り盤などによる加工より高精度に
仕上がる上、加工速度が速い。
また、繰り返し精度が高いのが特徴で、大量生産に向いています。
・スロッター
スロッターとは立て削り盤ともいわれ、溝削り加工を行う工作機械の
ことをいいます。
水平2軸直線運動および回転運動を間欠的に行う円テーブル上に
加工品を取り付け、垂直運動するラムに取り付けたバイトを
使用するのが特徴です。
主にキー溝、スプライン、角孔、インボリュートスプライン等を加工します。
先日お問い合わせ戴きました案件では、コスト面でお困りとの事で
詳しくお話を伺ってみますと、スロッターで対応していると思われる
情報を出して頂きました。
加工寸法的には、ブローチ盤の既存刃物があればコストが確実に
下る 事が予測できました。
記憶では、仲間の会社がJS9規格で幅3~14mmまでを1mm単位で
取り揃えていた筈なので、早速問い合わせ。
その結果、数点の微細な問題はあったのですが、ご要望サイズの
刃物がありそれで対応可能という結論に至りました。
この様に加工法の選択を正しく行い、その道のプロと巡りあえば
コストを適正に下げることも可能です。
弊社ではこの様に適正な加工法を選択する事で、品質を落とさずとも
コスト競争力を保つことが出来ると考えています。
国内メーカーの技術力を有効活用する事で、日本の未来にものづくり を
残していく第一歩だと思います。
そして、弊社のような立場で加工法をコーディネートする人材の育成が
モノづくりの現場に適正な利潤を生み出す為に必要な事と手前味噌
ですが思っています。
今回は、キー溝加工を例にお話致しましたが、適切な加工法に変更する 事で
お客様の利益に繋がる事例は多いです。
品質・納期・コストでお困りの際には、弊社へ気軽にお声がけください。
ご連絡をお待ちしております。
2015年3月26日 3:26 PM | カテゴリー:協力メーカー 技術紹介