金属表面処理用語
表面処理に関する用語を集めてみました。
アルマイト
「陽極酸化被膜処理」ともいい、アルミニウムに耐食性酸化被膜を施すこと。ショウ酸溶液中でアルミを陽極として電解すると、アルミの表面に多孔質で電気絶縁性・耐摩耗性の高い酸化被膜ができる。 さらに高圧蒸気または熱湯処理をして孔をふさぐと黄緑乳白色の耐食性にすぐれた被膜になり、建材用のアルミの表面処理によく使われている。 また自然発色法や染色法を利用して容易に着色でき、黒やブロンズ色が多用されている。 多孔質を利用して樹脂や金属を侵入させ、耐摩耗性を改善させたり通電性をもたせることもできるので、被膜の用途、目的によりクロム酸や硫酸などを使用して、さらに優れた特性を出すこともできる。
アルマイトタッチ跡
アルマイト処理をする際に、材料をつかんでアルマイトをかけるがそのつかみ部分にはアルマイトがかかっていない。その部分のこと。
硬質アルマイト
アルミニウム及びアルミニウム合金の表面処理で、陽極酸化被膜(アルマイト)処理のうち、硬度(HV)350以上のものを硬質アルマイトと呼んでいる。 耐摩耗性、耐食性にすぐれ、耐電圧、含油性をもっている。 被膜の形成法は硫酸浴をベースとして10℃以下の低温で陽極酸化する低温法と、有機酸に硫酸を添加した混酸を用いて常温付近で電解する常温法とがある。
B1アルマイト
アルマイト膜厚:9ミクロンの事。
B2アルマイト
アルマイト膜厚:6ミクロンの事。
クリア
耐候性を増す目的でアルマイトの上に施される透明な塗装。 また、電気的に付着させる電着クリアと呼ばれる製法もある。
ショットブラスト
圧縮空気または遠心力などでショット=shot(鋼粒)やカットワイヤなどを加工物に吹きつけて行う研摩方法。 美観、塗装下地または酸洗の前工程で行われる。
耐食性
腐食されにくい性質を耐食性が良いという。 普通、鉄は“さび”やすく、ステンレス、アルミ、伸銅品は“さび”ないといわれるが全く腐食しないものはなく、腐食されにくいということである。 腐食には金属組織や内部応力といった内的要因と、溶接や曲げ加工、表面処理などの加工要因、温度や湿化、酸、各種薬品、使用環境などによる外的要因があり、それぞれの要因に対してあるいは複合的に、耐食性が問われる。 一般的には、オーステナイト系ステンレス、5000番系アルミニウム、青銅系が耐食性の良い材料とされるが、統合的には高Ni合金が優れているといえる。
電解研磨
一般に食塩水や硝酸ナトリウム水溶液などの電解液中で加工物を陽極にし、陰極とすき間を作り加工物面を電解溶出させる研磨方法である。
キリンス処理
真鍮(黄銅)製品を酸洗する処理の事で、錆落としと同時に真鍮本来の光沢を出す酸処理法で非常に綺麗な表面を得ることが出来ます。 一般的には、硝酸をベースとし強酸の混合液へ浸せきさせ、汚れた表面を溶解し新しい 銅表面を露出させ光沢を得られます。 光沢浸漬法、化学研磨法とも呼ばれます。 処理の際には、多量の窒素酸化物が発生する為、作業環境などを考慮し処理は減る方向にあります。
バフ研磨
布製あるいは適当な物質の研磨輪を用いて光沢を出す研磨方法。
ヘアライン(HL)
長く連続した研磨目をもった仕上げ 適当な粒度(通常150~240番の砥粒が多い)の研磨ベルトで髪の毛のように長く連続した研磨目をつけたもの。 建材の最も一般的な仕上げ。
バレル研磨
材料を研磨剤とともに回転させるか又は振動容器に入れて研磨する方法で、乾式と湿式がある。 バリ取りまたは美観を目的に行われる研磨方法。
めっき
金属の代表的表面処理で、鉄、非鉄全般に広く使われている。 加工物をめっき液中で陰極とし電解して、表面に金属膜を析出させる電気めっき、金属塩水溶液中の金属イオンを還元剤に用いて加工物表面に還元析出する無電界めっき、溶融した金属中に加工物を浸漬し、その表面に金属を凝固・被覆させる溶融めっきがある。 めっきの目的は、美観上、耐食性、耐摩耗性の改善などである。 クロムめっき、ニッケルめっきが代表的である。 アルミクロムメッキのノウハウを確立しているメーカーは少ない。
2013年1月16日 8:00 AM | カテゴリー:表面処理