「6N01」と「6005C」について
結論から申し上げますと、「6N01」と「6005C」は、「旧名と新名」になります。
かつて日本独自の規格だったものが、国際規格に合わせて整理されたという経緯があります。
※最下部に変更の経緯を記載します。
設計や調達の観点で、これらをどう使い分けるべきか、具体的に比較・解説します。
1. 6N01 と 6005C の違い
- 6N01 (旧JIS規格): 日本で独自に開発された合金で、主に6063より強度の必要な建築材や新幹線や鉄道車両の構造材として進化しました。
- 6005 / 6005C: 国際標準(ISO)に合わせるため、JIS規格が改正された際に、6N01の特性を引き継ぎつつ統合された名称です。
新規で図面を作成するなら、 「A6005C」をご指定下さい。
2. 性能比較表(T5処理の場合)
強度の面では、6005Cの方がわずかに高い基準値を設定されていますが、実用上の差はほとんどありません。
| 特性 | 6N01-T5 (旧規格) | A6005C-T5 (現行規格) | A6063-T5 (比較用) |
| 引張強さ | 245 N/mm² 以上 | 245 N/mm² 以上 | 155 N/mm² 以上 |
| 耐力 (変形しにくさ) | 205 N/mm² 以上 | 215 N/mm² 以上 | 110 N/mm² 以上 |
| 伸び | 8% 以上 | 8% 以上 | 8% 以上 |
| 特徴 | 溶接後の強度低下が少ない | 6N01を継承・強化 | 形は作りやすいが弱い |
3. 改定確認のポイント
① なぜ「6N01」という名前がまだ使われるのか?
古くからある図面や、鉄道・建築関係のベテラン設計者の間では「6N01」という名称が強く浸透しています。
弊社では上記に記載の強度的な資料をご提示し、品質向上になる旨をご説明します。
強くなれば全てOKではないので、技術担当者様にもご確認いただきながら慎重に確認作業をお願いしております。
② 6005「無印」と「C」の違い
実はここが重要です。
- 6005: 海外で一般的な規格。
- 6005C: 日本独自の「C(CopyまたはCommercialの意)」が付いた規格。
海外メーカーに「6005」で発注すると、微妙に組成が異なり、日本のJIS規格(6N01相当)で期待される「薄肉で複雑な形状」がうまく出ないリスクがあります。
国内での調達ならA6005C(またはCS)を指定するのが正解です。
4. 調達担当者様へ
「旧図面の『6N01』をどう調達すべきかお悩みではありませんか?」
以前の図面によく見られる「6N01」は、現在JIS規格では「A6005C」に統合されています。
当社では、旧規格の特性を熟知した上で、現行のA6005C-T5を用いた最適な形材選定をサポートします。
- 強度不足を解消したい: A6063からのグレードアップ提案。
- 形状を複雑にしたい: A6061では不可能な薄肉中空設計。
規格の名称変更に伴う混乱も含め、MSPは技術商社として「今、手に入る最適な材料」を解説・提供いたします。
参考までに、この変更がどの様な経緯で行われたかをまとめると、以下のようになります。
| 年代 | 改定内容と背景 |
| 1999年 | 国際規格(ISO)への整合化開始 日本の独自規格から、4桁の国際規格(A6063など)への移行が本格化しました。 |
| 2006年 | 【重要】6005Cの導入 「6N01」のような日本独自名称を廃止し、国際的な「6005」に日本独自の特性(Commercial/Copy)を意味する「C」を付けた「6005C」が正式に採用されました。 |
| 2015年 | さらなる規格の細分化と統合 化学成分や機械的性質のさらなる微調整が行われ、現在の「A6005C」としての地位が定着しました。 |


