MSPでは、比較的小さなサイズの超量産用部品に、ホットチャンバー方式ダイカストでの生産検討もお薦めしております。
一例を上げると、放熱性能が必要な部品の場合、コールドチャンバー方式ではなく、ホットチャンバー方式は、ADC12に比べ熱伝導率の高い合金を選択することが出来ます。
また、製品精度が高い成形が可能なので、追加工の必要がない設計であれば様々な切り口でのコストダウンが可能です。
もう一つの利点としては、型寿命が長い為に償却費用低下によるランニングコストの削減にも寄与します。
型更新の際には、ロット低減も含め一度ご検討戴ければと思います。
新規での型製作の場合、ADC12,AZ91D,ZDC-2と言う3種類での試作も可能です。(量産の場合は、1型1合金のみとなります)
<ホットチャンバー方式の特徴>
ホットチャンバー方式は、溶解炉と鋳造機が一体になっており、溶湯を効率よく金型へ圧入できます。
・小型製品の鋳造に向いている。
・コールドチャンバーと比較して、鋳造サイクルが短い。
・溶湯温度が安定している。
・低圧力の為、金型に負担が少ない。
・大型製品の鋳造には向いていない。
・対応金属、アルミニウム(ADC12)、マグネシウム(AZ91D)、亜鉛(ZDC-2)
2013年も早いもので、6月も半ばですね。
為替相場の変動や、海外市況の変動によりアルミ地金にかぎらず 金属相場は動いています。
そんな中で、アルミ地金はといえば、日本経済新聞相場をみれば
1月 236.8円/kg
2月 249.2円/kg
3月 240.1円/kg
4月 243.0円/kg
5月 247.1円/kg
という状況でした。
これを踏まえ、7~9月のNSPルールでの価格は 4~6月期と同じ250円/kgとなります。
円安基調が続く状況ですので、更に上昇する傾向が続く ものと思われます。
見積り案件に対しては、材料上昇時のリスクヘッジが 出来る内容での回答を心掛けられた方が良いと思います。
アルミ櫛型 ヒートシンク
先日、アルミ押出し材を活用したヒートシンク(放熱板)のお引き合いを戴きました。
幅広なアルミ押出し形材の素材を少量で調達し、ヒートシンク(放熱板)の加工が得意な協力会社に加工を委託します。
少量で素材を調達できるルートも確立しております。
ヒートシンク専業メーカーから調達されていて、何か不都合な点がある場合には一度お問い合わせ戴ければと思います。
もちろん、小ロット生産にも喜んで対応させて戴きます。
試作から量産まで、アルミ押出形材を利用したヒートシンク(放熱板)の調達はMSPにお任せ下さい。
この話、秘密保持契約の関係で詳細は書けないのが残念だ。
今、追いかけている様々な仕事の中で、五感的な評価が下される商品がある。
旋盤で削ったアルミに、ショットブラストを掛けて、染色アルマイトをするって内容なんだけど。
形状も厄介だし、ショットの目が細かいから下地が大事だし、アルマイトの色調は中間色。
これ書くだけで、判って戴ける人には判って戴ける厄介さが含まれている。
そして、この商品の見積り経緯がこれまた厄介。
中国で既に生産している商品で、五感的な不良で3割近く捨てなくてはならないので、
その費用やらなんやらを考えると日本で品質の安定した製品を調達した方が良いと判断したまではいいのだが・・・
中国価格がベースの為、3割の不良があっても普通にやったら勝ち目は無い。
そこで、我が優秀な切削・ショットブラスト・アルマイトの各協力会社に、我々のレベルの高さを見せてやろうと気合を入れて見積りに臨んだ。
一回の切り込み量を増やしても面粗度を落とす事無く出来る切削条件にギリギリまで条件を上げ、様々なノウハウを駆使してタイムを短縮した。
ショットブラストも、外観注意品を多く扱っている協力会社で効率のよい方法を考えてもらった。
アルマイトも、色差の品質管理に関しては信頼のおける協力会社だから心配は無いし、コストも相当協力してくれた。
素材についても、客先が指定して来た材質よりも品質を落とさずにコスト競争力のある材質を提案する事によってトータルコストを下げる事が出来た。
それらを取りまとめ、見積りを作成し客先に提出。 その評価は「いい線です」と戴いた。
思いっきり手前味噌だが・・・ あの形状で あの表面処理で あのコスト そりゃ~、今回のユニットが組めた時点で今回の評価は想定の範囲内。
それもこれも、お客様の担当の方が面倒くさがる最終ユーザーに対して根気強く情報収集を行ってくれた事が最大の功績なのだけど。。。
最終ユーザーが本当に困っているのであれば、中国とのトータルコストの差は不良率を加えれば大した事が無いだろうから、日本に戻すだろう。
戻す決断さえして頂ければ、我々のユニットが選択される可能性は非常に高い。
判断は、2月中に出るだろう。 今回は競争相手が中国だけに、どんな手段を講じて来るか判らないが、我々としては精一杯の見積りを出せたとの自負はある。
お客さまからも「これに限らず今後もお手伝い願いたい」とのお言葉を戴いたので、ベストを尽くした甲斐があった。
後は、果報は寝て待てだ!
MSPは、仕事に応じた協力会社のユニットを編成し、お客さまにとって最良の連携を作り上げる事によって、期待にお応えする体制を整えています。
中国製の品質でお悩みの方は、一度お問い合わせください。
MSPは、最良の解決法でお応え致します。
新しい合金がどんどん開発されていますが、基本をしっかり理解すれば大丈夫です。
マグネシウム合金の名称について
マグネシウム合金の呼称は、一般的にASTM規格が用いられます。
ASTM規格では、合金成分に対応したアルファベットと添加量を表す数値で標記されます。
(ASTM: American Society of Testing and Materials 米国試験材料協会が定める材料に関する標準化規格)
材質 AZ31 のマグネシウム合金は 下表のように分解され
アルミニウムをを約をを約3 約約3%、 33%、亜鉛を約ををを約1 約約1%11%%%含んだマグネシウム合金という事になります。
A 添加量が第1位の元素
Z 添加量が第2位の元素
3 添加量が第1位の元素(重量%)
1 添加量が第2位の元素(重量%)
記号
A アルミニウム
Z 亜鉛
K ジルコニウム
X カルシウム
M マンガン
材質と成分
AZ31 アルミニウム 3% 亜鉛 1%
AZ61 アルミニウム 6% 亜鉛 1%
AZ80 アルミニウム 8% 亜鉛 1%未満
ZK60 亜鉛 6% ジルコニウム 1%未満
AM60 アルミニウム 6% マンガン 1%
AMX602 アルミニウム 6% マンガン 1% カルシウム 2%